映画「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」鑑賞レビュー!現実にも通じる社会派ファンタジー作品(一部ネタバレあり)

どーも、Micoです!

前回記事を上げたラーメンの後に見た映画がこれ。
巨匠、ティム・バートンが送る「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」

ハリー・ポッターシリーズ以外のファンタジー作品をこれまであまり見てこなかった私ですが、ミス・ペレグリンを演じるエヴァ・グリーンの美しさに魅かれて思わず劇場に足を運んでしまいました(笑)

ほぼエヴァ・グリーン目当てで行ったこの映画の感想ですが、めちゃくちゃ良かった。

今回はその感想などを語っていきたいと思います。

CONTENTS

登場人物

ミス・ペレグリン

私がこの映画を観に行った理由の9割を占めるお方。

ハヤブサに変身できる能力と時間操作能力を持つ。
後述の”奇妙なこどもたち”が身を寄せる保護施設の責任者。

ルールに厳しく、こどもたちに対する慈愛に満ちた人物であり、こどもたちを脅かす存在に対して一切情け容赦のない姿はまさに母親。

ジェイク

ごく一般的なアメリカ人のティーンエージャーで本作の主人公。
周囲に馴染むことができず、同年代の友人もいない孤独な少年であり、映画序盤の彼の姿は人によってはトラウマをえぐられること請け合い

そんな彼の唯一の理解者は、幼いころからファンタジー作品を思わせるような冒険譚を聞かせてくれた祖父エイブ。
周囲からは変わり者扱いされていたエイブは、ある日眼球をくりぬかれた姿で自宅近くで倒れているのが見つかり、ジェイクに冒険譚の中で話していた児童保護施設がある島に行くように告げて息絶える。

祖父の死に大きなショックを受け、周りからは精神病患者扱いを受けながらも何とか島への上陸を果たした彼は島内を探検中、偶然別世界への入り口に迷い込み、施設にたどり着く。

そこでは祖父の冒険譚どおりの”奇妙なこどもたち”が暮らしており、彼らとの出会いがジェイクの運命を変えていくことになる。

奇妙なこどもたち

エマ

空中浮遊能力を持つ今作のヒロイン。
そのままだと浮いてしまうため普段は鋼鉄の靴を履いており、宙に浮かぶ時はロープで体を固定しなければならない。

また、凄まじい肺活量の持ち主であり、口から吐き出した空気で水没した巨大帆船に浮力を与えられるほど。

イーノック

嫉妬深い性格でよそ者のジェイクへのアタリが強い。
こどもたちの中では最年長であり、人形などの無生物に一時的にではあるが命を吹き込めるという恐るべき力の持ち主。

オリーヴ

手から発火する能力を持ち、ヤカンに手を触れているだけでお湯を沸かすことが出来る社交的な女の子。
普段は耐火性の手袋をはめている。

ヒューマントーチより扱いやすいな、うん。

クレア

後頭部からチキンを食すCMの映像に度肝を抜かれた人も多いでしょうが、それが彼女。

ホレース

イカしたスーツの少年紳士。
自分が見た夢をスクリーンに投影できるR2-D2のような能力の持ち主。

フィオナ

お下げ髪が特徴の女の子。
あらゆる植物を成長させる木遁忍術の使い手。

ヒュー

体内に無数の蜂を飼っている少年。
彼もNARUTOを彷彿とさせる。

ただNARUTOの無口な彼と違って口を開けると蜂が飛び出してしまうため、食事中は養蜂用のネットが必須。

ブロンウィン

こどもたちの中で最年少の少女。
小柄な外見からは想像もできない怪力の持ち主であり、気絶したジェイクを運ぶのなんて朝飯前。

自分より何倍も大きい家具類も余裕で動かせる。

ミラード

透明人間の男の子。
ヒロアカの葉隠ちゃん同様、常時透明であるため服を着ていないと姿を認識できない。

双子

常に白いマスクを被った姿が少し不気味な双子ちゃん。
いつも行動を共にしている。

バロン

今作の悪役。
演じるのはMCUのニック・フューリー、スター・ウォーズ新三部作のメイス・ウィンドゥでもお馴染みのサミュエル・L・ジャクソン。

邪悪な異能者の集団であるホローガストを率いるリーダーであり、とある目的のために自分たちと同じく不思議な能力の持ち主であるこどもたちを執拗に狙う。

頭で思い描いた姿に自由に変身することができる能力者。
ただ、あくまで姿と声だけで本人のすべてをトレースするわけではない

ティム・バートンが紡ぐダークワールド

ここからは少しネタバレが入ります。

生まれついての奇妙な力

マーベル映画で散々超常的な能力を目にしてきた私ですが、彼らの多くは後天的に力を手にしたのに対して、こどもたちの場合は生まれついての能力や体質です。

彼ら一人一人の能力はジャンプ漫画「僕のヒーローアカデミア」に出てくる”個性”と呼ばれる能力と共通していると感じましたが、こどもたちが置かれている状況はヒロアカの世界とは真逆。

ここでは我々のような一般人が大多数を占める”普通の社会”なのでマイノリティである彼らはミス・ペレグリンが創り出す、我々の世界からは隔絶された時間のループの中で過ごさなくてはいけません。

そのため、彼らは年も取らず1943年の9月3日を永遠にループしています。
今月はもう一つ時間がループする映画を観てきたけど、年齢を重ねることもなくただ同じ世界を生きるだけって正直気が狂いそう。

異質な存在が隅に追いやられるというのは現実においてもある問題であり、特に昨今では多様性を否定する社会の動きもある中で非常にタイムリーなテーマを扱っているといえるのではないでしょうか?

姿の見えない敵

彼らを狙うのがホローと呼ばれる化け物たち。
この怪物たちは元々はこどもたちと同じ異能者だったが、不老不死の力を得るためにおぞましい実験を行った結果、異形の怪物へと変貌してしまう。

元の姿に戻るには同じ異能者の眼球を食す必要があり、こどもの方がより効果がある
ペレグリンのこどもたちを狙うのはそのため。
バロンも元々はホローであり、人間の姿に戻った彼は仲間の手引きをしている。

そしてこのホローたちの何よりも恐ろしいのは誰もその姿を視認できないというところ。
ただ一人を除いては……。

コイツらの姿は本当に不気味。
その上人間の何倍もの大きさで触手をウネウネさせながら襲いかかってくるのは本当に怖い。

しかもこれ一体だけじゃなく複数いますからね。
こんなのが姿も見えずに襲いかかってくるとか絶望しかない。

勇気を持って立ち向かう”こどもたち”

自分たちを守るためにミス・ペレグリンが連れ去られたことにより、これまでは守られているだけだったこどもたちも彼女を救うために立ち上がります。

一人一人は非力で幼いこどもたちですが、自らが持つ個性的な能力とアイディアを活かして敵と渡り合う姿はホーム・アローンを彷彿とさせるものがあり見ていて爽快です。

圧倒的な力で敵をなぎ倒していくスーパーヒーローもいいけど、パワーで勝る敵に対して知恵を振り絞って立ち向かうっていうのも悪くない。
言うなれば、かわいい頭脳戦って感じですね。

前半で少し暗い気持ちになったであろう視聴者に対して、コンプレックスも見方を変えれば長所になり得るんだよというメッセージを送っているようにも感じられました。

まとめ

ティム・バートン監督の映画をまともに観たのはこれが初めてですが、本当に観て良かった。
やっぱり、狭い世界に閉じこもってないで自分が今まで手を出してこなかったジャンルにも手を出してみるのは大事ですね。

また一つ世界が広がった気がする。

映画は全体的に暗い雰囲気が漂ってはいるものの、その中には観る者へのメッセージが散りばめられており、観終わったあとはほんの少しだけど勇気がもらえる。
そんな映画に仕上がっています。

ぜひぜひ劇場に足を運んで観てみてください!

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