どーも、Micoです!
マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)の14作目。フェイズ3では「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」に続く2作目。
アメリカでの公開から遅れること2か月。「ドクター・ストレンジ」がついに日本でも公開されましたね!
私はもう待ちに待っておりました!
早速TOHOシネマズのファーストデイを利用して3Dで見てきたので、感想などを語っていきたいと思います。
主人公は医者(ドクター)
主人公は天才的な腕を持つ脳神経外科医、スティーブン・ストレンジ。
傲岸不遜な性格ながらも、その類いまれな技術によって数多くの患者を救ってきた彼は、ある日遭遇した交通事故によって両手の神経に障害を負い、精密な動きができなくなってしまいます。
あらゆる最先端の治療を施すも回復の見込みはなく財産も底をつき、心も荒んでしまった結果、元恋人すら彼の元から去ってしまいます。
そんな絶望の最中、半身不随の状態から奇跡の復活を遂げたという男性に出会い、ネパールの首都カトマンズにあるというカマー・タージの存在を知らされ、残りの財産すべてを投じて現地に赴きます。
そこで出会った指導者エンシェント・ワンにより、これまで知りもしなかった世界の存在と魔術の力をその身を以て体感させられ、自分がいかに何もかも知ったつもりになって思いあがっていたのかを思い知るのと同時に、その未知なる力に魅せられ、彼女に弟子入りします。
何もかも初めてのことだらけの魔術の修行に悪戦苦闘し、これまでの人生では長らく経験することはなかったであろう「挫折」を味わうストレンジですが、博士号を二つも修得した瞬間記憶能力や高い学習能力、なによりも旺盛な知識欲を活かして、着実に魔術の力をモノにしていきます。
しかし、このことが彼をより大きな運命に導くことになります。
ヒーローとしても魔法使いとしても異色
これまでMCUのヒーローといえば、ハイテクアーマーのアイアンマン、超人血清を打ったキャプテン・アメリカ、人体実験に失敗したハルクといった科学に起因するヒーローが大半を占め、他には異世界から来たソーや宇宙で活動するガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々がいる程度でした。
そのMCUに突如現れた魔術師「ドクター・ストレンジ」はまさしく異色の存在。
マーベルスタジオが新しい挑戦をしようとしていることが見て取れます。
しかし魔術を使うからといってハリー・ポッターシリーズをはじめとする既存のファンタジー作品のようなものになっているかというと、そうではありません。
今作での魔術の修行は杖を振って呪文を唱えるといった、いわゆるヨーロッパ的な魔法のイメージではなく、東洋の武術の鍛錬と言った方がしっくりきます。
表現が正しいかどうか少し自信がないのですが、作中においても精神や禅、多元宇宙といった東洋的、またはある種の哲学的な考え方がクローズアップされています。
アクションシーンも単なる呪文や光線の飛ばし合いではなく、魔術で創り出した鞭や盾を用いた徒手空拳での戦闘が多く非常に見応えのあるものとなっています。
トニー・スタークとの共演が楽しみ
というのも、トニーとストレンジにはいくつか共通点があるんです。
すべてが順風満帆な天才・金持ち・プレイボーイ(ストレンジはそうでもないか)が、ある日遭遇したトラブルによってそれまでの日常は終わりを告げ、ヒーローとして目覚めていくという点。
現在は取り除かれたものの当初トニーの心臓には爆弾の破片があり、それをアークリアクターに繋がれた電磁石で引っ張って命を繋ぎとめている状態でした。
ストレンジも両手に障害を抱えており、自らの体の一部分に問題を抱えているというところも共通しています。
また劇中においては「わたしはミスターでもマスターでもない。ドクターだ」というセリフがあるんですが、これはストレンジの矜持や強いアイデンティティを象徴するものであり、アイアンマン3以降に決意を新たにしたトニーの「わたしがアイアンマンだ」というセリフを思い起こしました。
2人とも自分が何者かを自分の中で明確にしています。
なにより、今回ストレンジを演じたベネディクト・カンバーバッチとトニー・スターク役のロバート・ダウニーJrはともにシャーロック・ホームズを演じた経験があります(笑)
トニーもオカルト的なことは信じないタイプだと思うので、二人が共演したとき、魔術を目の前に突きつけられたトニーがどんな反応を見せるか今から楽しみです。
圧倒的な映像表現
CMなどでも言われていることですが、やはり実際に映画館のスクリーンで見ると迫力が違う。
特にエンシェント・ワンと今作のヴィラン、カエシリウスとの戦闘シーンにおいて空間が幾何学的に次々と変化し切り替わっていく様は自然と映像に引き込まれてしまいます。
人によっては酔うかもしれませんが、この映画は是非とも3Dで観ていただきたい。
そしてCGばかりが注目されがちですが、前述の通り徒手空拳や棒術によるアクションシーンも豊富であり、ファンタジー映画にありがちな呪文の言い合い、単なる光線の飛ばし合いに終始していないのは流石マーベルといったところです。
参考にしたのはNARUTO!?
パンフレットに載っていたインタビューで魔術師たちの手の動きの振り付けを担当したジュリアン・ダニエルズが言及していたことですが、やはりマーベルは旧来の魔法のイメージから離れた独自のものを求めており、「ハリー・ポッター」や「スター・ウォーズ」から遠ざかろうとした結果、NARUTOの印に近いものになったということです。
映画鑑賞後にこれを読んだ時はなるほどなと思いました。
手の動きだけではなく、ネタバレになるので詳しくは言いませんが魔術によって時間が延々とループするシーンがあり、NARUTOの作中でうちはイタチが披露した「イザナミ」という忍術を彷彿とさせました。
これが何回も続けば、そりゃあ考え方改めますわ……。
東洋の秘境で修行して秘密の力を身につけるといった、欧米の人が抱く東洋に対するちょっとおかしなイメージという点も共通してそうです(笑)
総括
先にも書いたセリフですが「わたしはドクター・ストレンジだ。マスターでもなければミスターでもない。ドクター・ストレンジだ」というセリフは今作で一番好きなセリフです。
周囲からは不遜な人物であると捉えられがちな彼も医者として確固たる意思と矜持を持っており、どんな命も決して奪おうとはせず、それは最後まで絶対に曲げようとしません。
単なる物理的な強さではない心の強さは、紛れもなくヒーローの本質ではないでしょうか。
これも先にアイアンマンとの共通点を述べましたが、アイアンマンはまさにトニー・スタークのオリジンというだけではなく、マーベル・シネマティック・ユニバースのオリジンとも言える作品です。
今作、ドクター・ストレンジもこれまでのマーベル映画には見られなかった試みが随所に見られ、新時代のMCUの始まりを予感させるに充分なオリジン作品に仕上がっていたと思います。
シビルウォーは素晴らしい作品でしたが、やはりライトユーザーなにそれおいしいの的なところがあったのは否めません。
しかし、今作は世界観の繋がりこそあるものの、ほぼ完全に独立した作品になっていますのでMCU初心者でも問題なく楽しめる内容になっていると思います。
既に続編も決まっており、終わり方もその期待を膨らませるものになっています。
MCUファンはもちろん、MCU初心者の入門作品としてもオススメできる作品です。
これはブルーレイを待つのではなく、是非劇場に足を運んで観てみてください!