iPhone7発売以降、各メーカーはBluetooth対応イヤホンの開発に力を入れだしたように思える。
最近ではApple社以外でもイヤホンジャック端子をオミットした機種が登場し出しており、この先もスマホの無線化の流れが加速していくことは確実だ。
そうなって来ると問題になるのが対応する周辺機器を揃えなければならないということだが、AirPodsやBeatsXといったApple純正品や、SONYやBOSEといった有名どころのワイヤレスイヤホンはまだまだ安価とは言い難く、気軽に手を出せる値段ではない。
そこで今回、Amazonで比較的安価に購入できるイヤホン『LEOPHILE EEL』を買ってみたので紹介したいと思う。
スポーツに最適なネックバンド型
首から下が自由になる
以前にも私はSONYの『MDR-EX31BN』を紹介している。
これは厳密に言えばワイヤレスイヤホンではなくワイヤレスレシーバーであり、今まで使用していたイヤホンでもこれに刺すことでワイヤレス化できるというコンセプトの商品。
対応のイヤホンを使えばノイズキャンセリング機能も利用できる。
これはこれでとても便利ではあるのだが、やはりレシーバーを服の何処かに取り付けるかポケットに入れなければならないという煩わしさがあり、その点に関しては重量という違いはあれど、使用感的に有線でウォークマンを使っていた時とあまり変わらないのである。
その点、出かけるときにサッと首にかけるだけでいいのはネックバンドの大きな強みだ。
左右独立型とは違って片方がどっかに言ってしまうという心配もない。
また、『LEOPHILE EEL』の場合は異物感が小さいのもグッド。
他社のネックバンド型のイヤホンは文字通りネックバンドを首にかけるので、ファッションによってはそれが浮いて見えてしまうのだが、こちらの場合はネックバンドとイヤホンが一本の線のように繋がっているので、装着したときのシルエットが実に自然なのだ。
紛失リスクの軽減
AirPodsに代表される左右完全独立型のイヤホンもだいぶ増えてきた。
コンパクトかつケーブル完全に解き放たれることによって服と擦れることによって発生するタッチノイズや、ケーブルが引っかかったり絡まるといった煩わしさが無くなるのは本当に素晴らしいが、それと引き換えに紛失のリスクは大きくなったと言える。
まともな左右独立型のイヤホンはまだまだ高価だ。
そして値段に反して筐体は石粒のように小さく、何かの拍子にポロリと落ちてしまったら、しばらく立ち直れないのは確実だ。
左右のイヤホンがきちんと繋がっているネックバンドタイプであれば、このリスクを潰せる。
現時点の私にとってはベストな選択と言っていい。
防水性
最近、体力向上のためにランニングを始めたのだが、その時に使うイヤホンの条件として耳からポロッと外れないことも然ることながら、汗に耐えてくれる必要がある。
『LEOPHILE EEL』はIP67の防水性能を有している。
これはどれくらいの防水能力があるのかというと、シャワーを浴びる時や通常の雨の中での使用に耐えるレベルである。
これならば、ランニング中の発汗や急な降雨でも心配いらないだろう。
可もあれば不可もある使用感
電池残量がわかる
AirPodsのようにパーセンテージの表示まではできないが、iPhoneのヘッドホンアイコンの横にバッテリーマークが表示され、大まかにではあるがイヤホン側のバッテリー残量を把握しやすくなっている。
『MDR-EX31BN』のバッテリー残量の確認方法はLEDランプが赤く点滅しているかどうかだけだったので、気がつかずにバッテリー切れを起こしてしまうということが結構あった。
iPhone側で残量をチェックできるというのは大きなポイントだ。
音質は可もなく不可もなく
私はもともとイヤホンやヘッドホンを幅広く使ってきた訳でもないので、音質についてそこまで語れるだけのものを持ってはいないが、少なくとも音楽が流れた瞬間に感動することもなければ、残念だという感覚も湧かなかったので、これに関しては値段相応のものなのだろう。
私の現在の音楽環境はiPhone8で『Google Play Music』を利用しており、素人なりに今まで使用していた『MDR-EX31BN』と比較してみたが、音の輪郭とでもいうのだろうか、ドラムやギターの一つ一つの音は『MDR-EX31BN』の方が丁寧に表現されていたように聞こえた。
最低音量が大きい
『MDR-EX31BN』はノイズキャンセリング機能の恩恵もあって私にはiPhoneの音量レベル3くらいでちょうどよかったのだが、この『LEOPHILE EEL』の音量はレベル1でも私にとってはかなり大きい。
普通の人にとってはこれくらいが普通なのかもしれないが、普段から小音量で聴いている私の場合、あまり長時間使用していると難聴になるとまではいかないが、少し耳が痛くなってしまう。
遮音性は及第点
カナル型のイヤホンだけあってノイズキャンセリング機能こそついていないものの、もともとの音が大きいこともあって環境音はそこまで気にならない。
試しに車の交通量が多い通りや地下鉄の車内で使用してみたが、流れる音楽が環境音に阻害されてしまうということはなかった。
また、カナル型といってもそこまで耳の奥に突き刺さるような感覚はない。
音声ガイドが煩わしい
オンオフの度に電源が入ったこと、スマホとのペアリングが完了したこと、電源が切られたことを伝える英語音声が流れるのだが、これがまあまあうるさい。
はっきり言おう。うるさい。
そしてこれだけではない。
曲が切り替わる度に「ピッ」という電子音が鳴る。
普通の曲ならまだしも、短いトラックを断続的に聴く場合はもの凄いストレスになること請け合いである。
開発者にしてみればユーザビリティを考えてのことなのだろうが、この点に関しては大きなマイナスポイントになってしまったと言わざるを得ない。
作業には向かないが身体を動かす時なら
音声ガイドや最低音量が大きいのはいただけないものの、形状はすごく気に入っている。
耳が痛くなってしまうので長時間使用するのは少し厳しいが、5kmのランニング程度の使用であれば個人的には問題なく使えている。
ブログの執筆など集中を要する際に使うイヤホンはまた別途探すことにするが、スポーツのオトモとしては悪くないガジェットなので、スポーツ用のイヤホンを探している方は一度チェックしてみてほしい。